
的な建物、やはり私たちのユニホームもそうなんですが、大体紺色のスーツというか、そういう傾向というのがあると思うんですね。官公庁スタイルというのはもう現代の若者には迎えられないという気がいたしますし、そういう意味では、民間の方々とか若者たちのいろんな考え方、発想を取り入れた一つのインテリアといいますか、色・形などモダンな居住空間というのもこれからつくっていく必要があるのではないかという気がいたします。
ちょっと余談になるんですが、ある女子大学の経営者がこういうことを言っていました。トイレとレストランをきれいにしたら女子大生がふえたと。意外とそんなものかもしれません。そういう意味で、これから青年の家の施設整備については、やはりモダンさというものをひとつ志向していくことが大事ではないかということを、第2分科会でご提案をいただきました。
第3分科会が本日の大きな課題となりました学社融合策、これをどういうふうに展開していったらいいかということで、いろいろご議論をいただいております。ここにごさいますように、大変多様な展開を例示していただきまして、本当にこれはこれから私どももいろいろプログラムを開発していくうえで参考になる要素がたくさんございます。
例えば右側の方で、今、学校教育だけでは人格形成というのが不十分だ。やっぱり学校外活動も大事であるということが前から言われておるわけですが、そういう意味でも、教科書だけに頼らない、やはり教科書にかわる教科書、代替教科書を青年の家でつくってさしあげるというようなところも大変ユニークで注目したいと思います。それと、大学など高等教育機関がもっている機能との連携、融合をさせていくという取り組み、このことは私どももこれから参考にしていかなければいけない部分ではないかという気がいたします。
それと、第4分科会では、これは日帰りの展開ということで、これも右側の方に掲げでございますが、学社融合を進めるための、そのプログラム開発を、これからそちらに焦点を当てていくべきではないかということをご提言いただいております。まさにおっしゃるとおりだと思いますが、いかにして教育課程カリキュラムの中に組み込んでいくか。間もなく中教審の答申を受けて、これから人間として生きる力、それはどうしたらいいかということを学校教育の場で議論していくと思うんです。そのときに、私どもがどのような形でそれをサポートしていけるか、そういうようなプログラムをこれから開発していかなければいけないということになるわけです。
それでは、今前段でいろいろ議論されてきたようなプログラムを、だれがそれをつくり上げていくかといいますと、やはりそこに勤務する職員の専門性、力量というのが問われてくると思うんです。これからの専門職員の果たすべき役割についてはこの左側の下から6行目に書いでございますが、「現在の青年の家の指導系職員に求められている専門性は、課題発見能力、情報収集能力である」とうことを提案いただいています。これにちょっとつけ加えるとすれば、それを分析して、これが学校でも適用できる、学校教育へも連動できるというような先見性といい幸すかそういうこともやはり必要ではないかという気がいたします。大変いいご提案をいただきました。
今、まさに教育の潮流が大きく変わろうとしているこの重要な時期に私どもがたまたま青少年施設を預かっているわけです。きのう内田会長がおっしゃっておられましたけれども、「所長になって何かを教育界に残すべきじゃないか。」まさに名言だと思います。このたった一度の人生の中でこれまでの経験を生かしながら現代的課題にどう取り組むかを考える時期にあると思います。青年の家には学校教育の第一線で活躍された方々、まさに「学社融合」のエキスパートが集まっている所です。その方々の英知を集めて立ちあがる時期です。さて、ここで我が国の近代教育制度が創始された頃を振り返ってみますと、当時の人々は学校・家庭・社会の三者連携、あるいは融合などという言葉は口に出さなくても、その考え方を実行し、いわゆる「人づくり」の面では世界に冠たるものを築きあげて現代に残してくれているのです。これから我々は学校や家庭をどうサポートしていくか、これは又とない千載一過のチャンスです。先程、内田会長が述べられたように、この三者連携の一端を担い、舞台の主役を演ずるのは私達ではないでしょうか。
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